先日釣りに行った際に他のアングラーのベイトタックルを見て勿体ないなーって思った小話を書きたいと思います(*´ー`*)
あまり人のタックルに対してどうこう言う必要もないかもですが、そのタックルはコチラ。
ロッド:フィッシュマン クローラ9.2L +
リール:アンタレスDC MD
ライン:PE1.5号
皆さんはこのタックルを見て何を感じるでしょうか(°_°)
釣り場でベイトタックルを使っているとは初めは分かりませんでしたが、遠くからでも意外とワインレッドのフィッシュマンブランクスは目立つので直ぐにベイトタックルだと分かりました☆
そしてエンドグリップの形を拝見してクローラだなと断定して暫くペンシルや鉄板バイブなどを投げているのを観察w
徐々に距離を詰めて行く。
ルアーの放物線を見ながら
「ブレーキが強すぎるかな」
「もっと体全体で投げた方が」
「キャストリリースが早いな」
色々とアドバイスをしたいことが出てくる。
案の定ルアー飛距離は出ていない。恐らくこのアングラー自身も飛距離に不満を感じているのだろう。どうしてだ?と?
徐々に距離を詰めて行きながら、私が遠投する。シンキングペンシルで90mほど。
隣で飛距離を自慢するという趣味は持ち合わせては居ないが、このアングラーにこれだけは伝えたかった。
「ベイトタックルはテクニック次第で飛ぶ」
そして私は遂に話掛けた。
私「アタリありますかー?」
アングラー「全然ダメです」
私「そのロッド、クローラですよね?」
アングラー「そうです」
私「リールはアンタレスのMDですか?」
アングラー「そうですよ」
私「私も古いですけどアンタレス使ってるんですよ」
アングラー「ベイト使ってたんですか!?すごい飛んでますよね!やっぱアンタレスって良いですか?」
私「私は古いアンタレスですけど、良いと思いますよ」
アングラー「今何投げてるんですか?」
私「20後半くらいのペンシルです」
「良いタックルですね~」
アングラー「良いタックル使ってたら言い訳出来ないと思って」w
私「ラインは3号とか巻いてるんですか?」
アングラー「1.5です」
私「えっそしたらカナリ巻いてるんですね」
アングラー「どのくらいかな結構巻いてますね〜」
言いたい…
タックルバランスを見直そうと、、
投げ方を改良しようと、、
しかしシャイな私は
私「釣り場でベイトの人に会わないんで嬉しくて声掛けちゃいました。すいません、お邪魔して」
アングラー「いえいえ、頑張りましょう」
…
いきなり初対面でアドバイスもされたくないでしょうし。
しかし良いタックルを大金はたいて買って試して、ベイトってこんなものか。とは思って欲しくなかった。
どうしたら良かったかなー…笑
次に会ったら上手く伝えられたら良いなぁ。
それでは本題
こちらのベイトアングラーのタックルの問題点をまとめていきます。
ロッド:フィッシュマン クローラ9.2L +
リール:アンタレスDC MD
ライン:PE1.5号
①クローラはそもそも軽めのミノーをキャスティングするのにマッチしたブランクスであること。
②アンタレスDC MDは38㎜スプールの大径リールであり、重量もあるDC専用スプールてあること。
③MDにPE1.5号ビッチリ
この3つの問題により何が起こるかというと
「軽いミノーを投げるブランクスで重たいスプールを回す」
更にラインが細いことによるライン重量の増加でDCブレーキがオーバーブレーキ気味の設定にしないとバックラが起きるオマケ付き
結果飛距離の出ないベイトタックルが誕生します。
軽いルアーには軽いスプール
しかし重いルアーには重たいスプールが良いわけではなく、重いルアーを投げるのに重要なのはブレーキ制御力なんです。
理論上
質量0の大径スプールに完璧なブレーキ制御力を兼ね備えたベイトリールは世界で一番飛ぶリールになります。
もちろんスピニングをも超えて。
スピニングタックルはキャスト時のガイドの放出抵抗とラインテンションが緩いことにより、風などの外的要因を強く受けます。
一方ベイトタックルはキャスト時にラインには一定のテンションはかかり、ラインも一直線なのでガイド抵抗を殆ど受けません。ベイトタックルでは太いラインが使えるというメリットがそれを証明しています。
少し余談になりますが、遠投に関して言うとベイトリールにおけるマグネットブレーキはスプールが軽くなると重いルアーの扱いが難しくなります。それは重たいルアーを投げた際のスプールの高回転時にブレーキ制御力が足りなくなるから。ブレーキ制御力の効く範囲でのスプール回転であればスプールの慣性をマグネットブレーキが上手く伸ばして飛距離を伸ばします。
あくまでこれはマグネットブレーキで遠投する時の話なので、ベイトフィネスと混同はしないでください。逆にベイトフィネスはマグネット有利です。
なので遠投するためには、質量0の大径スプールが条件であるのに完璧なブレーキ制御力という意味でマグネットブレーキでは痒いところに手が届かない訳なんです。
最大ブレーキ力を求めると全体のマグブレーキ力も強くなるのでキャスト後半の伸びがなくなる。ダイワのインダクトローターをもってしても現時点では実現出来ていません。
今度出る19モアザンPETWには期待はしているんですがね☆
しかしアンタレスで100m飛ばすところのスプールの回転は
10000㎝÷3.7×3.14=860回転
コレを19モアザンPETWに換算すると
860×3.4×3.14=91.81m
同じ回転数で8mほどの差が出てしまいます。スプール径が飛距離に重要な要素であることがお分かり頂けると思います。
回転制御の難しいマグネットブレーキで860回転回せるかは疑問ですが、スプール径が小さいのでより楽に高回転は望めるかもしれません。
なのでショートキャストには良いかもしれませんね☆
話を戻しますと、ベイトタックルは高い道具を買ったから上手に投げられる訳でも、練習したから上手に投げられる訳でもない。
アングラーの道具選びや工夫も重要になってくるのです。
それはロッドとリールのバランス、リールのスプール、ベアリング、ラインの選択、ブレーキ設定、多岐に渡ります。
もし、ベイトシーバスが上手くいかないと悩んでいる方は今一度!自分のタックルの細部まで見直すことをオススメします☆
ではまた!!